朔日餅の年間ラインアップ一覧 ― 11種類を「節句・収穫・暦」で読み解く

こんにちは、あいです。

9 月も半ばになって、朝晩の風が少しだけ軽くなってきました。今月 1 日の朔日餅は「萩の餅」で、次の 10 月 1 日は「栗餅」です。カレンダーをめくるたびに「来月はなんだっけ?」と調べ直していたので、今回は一年ぶんをまとめて一覧にしておくことにしました。

ただ並べるだけだと、ちょっともったいないなと思っています。赤福の公式サイトで各月の説明を読み直してみたら、それぞれのお餅に「なぜその月なのか」がちゃんと書いてあったんです。そこでこの記事では、11 種類を 節句・田畑と収穫・暦と季節のことば の三つに分けて眺めてみます。

あい:板で説明

※この記事の月ごとの名称と説明は、2026 年 9 月 13 日に確認した赤福公式サイトの掲載内容 をもとにしています。中身や意匠は年によって変わることもあるので、買いに行く前に最新の案内を見てくださいね。

まずは一年の一覧

赤福公式サイトによると、朔日餅は お正月を除く毎月 1 日 に販売されます。2 月から 12 月までの 11 種類は、次のとおりです。

月名称どんなお餅か(公式サイトの説明の要旨)
2 月立春大吉餅黒大豆とつぶ餡、大豆とこし餡にきな粉の 2 種の豆大福
3 月よもぎ餅よもぎを練り込んだ餅生地でつぶ餡を包む
4 月さくら餅桜の葉とともにいただく、ほのかな桜色のお餅
5 月かしわ餅柏の葉で包んだお餅
6 月麦手餅もち麦粉入りの生地で黒糖味の餡を包み、麦粉をまぶす
7 月笹わらび餅笹の葉で包んだわらび餅
8 月八朔粟餅粒を残した粟餅に、黒糖味の餡をのせる
9 月萩の餅粒感を残した餅と、ほんのり塩味のつぶ餡
10 月栗餅栗餡を包み、栗の甘露煮をのせる
11 月ゑびす餅打ち出の小槌(黒糖)と小判(柚子)に見立てた 2 種
12 月雪餅もろこし粉入りの生地でこし餡を包み、もち粉をまぶす

こうして並べると、葉で包むもの・豆や雑穀を使うもの・2 種類入りのものなど、月ごとに姿がかなり違うのがわかります。

節句でたどる月 ― 3月・5月・7月・10月

いちばんわかりやすいのが、五節句(ごせっく)にちなんだ月です。

  • 3 月 よもぎ餅:上巳(じょうし)の節句、いわゆる桃の節句にちなむお餅です。公式サイトでは、香りが高く繁殖力の強いよもぎを餅にして、子孫繁栄や無病息災を祈ったことが由来として紹介されています。
  • 5 月 かしわ餅:端午の節句の祝い菓子。柏は新しい葉が出るまで古い葉が落ちないことから、子どもの成長を願うお餅とされています。公式サイトには「包む手さばきも、神前のかしわ手ににています」という一文もあって、伊勢のお菓子らしいなと思いました。
  • 7 月 笹わらび餅:七夕の季節。笹で包んだわらび餅で、暑さが本番になる前のさわやかさを届ける、という説明です。
  • 10 月 栗餅:旧暦 9 月 9 日の重陽(ちょうよう)の節句にちなみます。公式サイトによると、この日は菊を浮かべたお酒を飲み、栗ご飯や栗菓子で不老長寿を願ったのだそうです。

五節句のうち、1 月 7 日の人日(じんじつ)だけは、朔日餅がお休みの 1 月にあたります。四つの節句がお餅になっていると考えると、覚えやすいかもしれません。

田畑と収穫でたどる月 ― 6月・8月・9月

次は、農事や実りに結びついた月です。夏から秋にかけて集まっているのがおもしろいところ。

  • 6 月 麦手餅:6 月は「麦秋(ばくしゅう)」と呼ばれ、麦刈りと田植えで忙しい季節。公式サイトでは、田植えが終わった日に手伝ってくれた人へ祝い餅をふるまい、麦で賃料を払ったことが名前の由来だと紹介されています。
  • 8 月 八朔粟餅:八朔(はっさく)は旧暦 8 月 1 日のこと。新しくとれた穀物を贈りあって祝う習わしがあったそうです。公式サイトによると、伊勢では 8 月 1 日の「八朔参宮」に参拝する人が多く、あわ餅を食べる習わしがあったとのこと。
  • 9 月 萩の餅:実りの秋に、収穫の喜びをおはぎで祝ったことにちなむお餅です。炊いたつぶ餡の形や色を萩の花に見立てたのが、おはぎという名前のはじまりだと説明されています。

あい:秋

おじいちゃんは麦手餅の由来を読んだとき、「お金じゃなくて麦で払う、というところに暮らしが出ているな」と言っていました。お菓子の名前に、昔の働き方まで残っているんですね。

暦と季節のことばでたどる月 ― 2月・4月・11月・12月

残りの四つは、二十四節気(にじゅうしせっき)や花、行事の名前から来ています。

  • 2 月 立春大吉餅:公式サイトでは、立春を二十四節気の「元日」、その前日の節分を「大晦日」にたとえています。豆をまいて邪気を払い、黒豆を食べて新しい一年の健康を願った風習にちなむ豆大福です。
  • 4 月 さくら餅:4 月の花といえば桜。公式サイトでは、伊勢に桜にまつわる伝承や名木がいろいろあることにも触れています。
  • 11 月 ゑびす餅:商売繁盛を祝う「ゑびす講」がある月だから、商いの神さまゑびす様にちなんだお餅、という説明です。小槌と小判の 2 種類入りなのも縁起物らしいところ。
  • 12 月 雪餅:暦の上では「大雪(たいせつ)」。うっすら雪化粧した地面に見立てて、もち粉をまぶしてあります。

ちなみに公式サイトの 4 月・5 月の紹介には、包み紙の伊勢千代紙の絵柄についての説明もありました。お餅だけでなく、包みのほうも月ごとに見比べてみると楽しそうです。

1月がお休みの理由と、買い方のおさらい

朔日餅は元日にはありません。観光三重の取材記事(2024 年 6 月公開)によると、「年の初めは赤福餅を味わってもらいたい」という想いからだそうです。

買い方の基本も、公式情報と取材記事からまとめておきます。

  • 販売日:元日を除く毎月 1 日のみ(赤福の朔日餅予約受付サイト)
  • 予約:販売月の前月 10 日から受付(同サイト)
  • 本店での販売:観光三重の取材記事では「4 時 45 分に開店次第、来店順に案内」と紹介されています
  • 予約品の受け取り:同記事では、9 時から 15 時のあいだで予約時に指定できると紹介されています

早朝の列の様子や、並ぶときの準備については 赤福の朔日餅、何時に並ぶ?整理券と予約のしくみを整理してみる にまとめています。運用は変わることがあるので、最新の案内もあわせて確認してください。

おじいちゃんと、一覧を作った夜

この一覧は、9 月 1 日の萩の餅を食べながら、おじいちゃんと縁側で作りました。

あい:てへ

実はあたし、7 月のお餅をずっと別の名前で覚えていたんです。公式サイトを一緒に見直したら「笹わらび餅」と書いてあって、おじいちゃんに「思い込みで書くと、読んだ人が困るぞ」と言われてしまいました。うろ覚えのまま人に話すところだったので、調べ直してよかったです。

おじいちゃんがいちばん好きなのは、8 月の八朔粟餅だそうです。「粒が残っているのがいい」とのこと。あたしは 11 月のゑびす餅の柚子のほうが気になっていて、今年こそ食べ比べるつもりです。萩の餅は、ほんのり塩味のつぶ餡がやさしくて、気づいたら 2 つ目に手が伸びていました……。

まとめ ― 2026年の残りの朔日

朔日餅は、ただの「月替わりのお菓子」ではなく、節句・農事・暦のことばを一年かけてたどれる、小さな歳時記のようなものだと思います。

  • 節句の月:3 月・5 月・7 月・10 月
  • 田畑と収穫の月:6 月・8 月・9 月
  • 暦と季節のことばの月:2 月・4 月・11 月・12 月
  • 1 月(元日)はお休み

2026 年の残りは、10 月 1 日(木)栗餅、11 月 1 日(日)ゑびす餅、12 月 1 日(火)雪餅 です。11 月 1 日は日曜日にあたるので、平日よりも人が多くなるかもしれません。10 月は神嘗祭の月でもあるので、朔日参りとあわせて、秋の伊勢を歩いてみてくださいね。


参考

  • 赤福公式サイト「商品のご案内」朔日餅 二月〜十二月の各ページ(2026 年 9 月 13 日閲覧)
  • 赤福 朔日餅予約受付サイト(2026 年 9 月 13 日閲覧)
  • 観光三重「赤福の限定餅『朔日餅』とは?購入・予約方法や月ごとのお餅を紹介します!」(2024 年 6 月 21 日公開)

販売時刻・予約方法・内容は変更されることがあります。お出かけ前に赤福公式の最新案内を確認してください。