赤福の朔日餅、何時に並ぶ?整理券と予約のしくみを整理してみる

こんにちは、あいです。

ちょうど今日は 6 月 1 日。朝の伊勢市はまだ薄暗いうちから、おはらい町のほうへ向かう人の列がぽつぽつと続いていました。お目当ては、赤福本店で毎月 1 日だけ売られる「朔日餅(ついたちもち)」です。

伊勢では、毎月 1 日に神宮へお参りする「朔日参り」という習慣があります。「先月、無事に過ごせたことへのお礼と、新しい月のご挨拶」というおじいちゃんの説明が、あたしの中では一番しっくり来る言い方でした。その朔日参りの帰り道に立ち寄って買う和菓子として親しまれているのが、朔日餅なのです。

あい:本を持って解説

今日は、朔日餅を買うために実際どれくらい早く並ぶのか、整理券のしくみ、予約や取り寄せという選択肢まで、おじいちゃんと早朝に並んだ経験を交えてまとめてみますね。

朔日餅とは ― 月替わりの和菓子

朔日餅は、赤福(株式会社赤福、伊勢市宇治中之切町)が毎月 1 日に限って販売している和菓子です。1 月だけはお正月で別途「特別な日」とされていて販売がなく、2 月から 12 月までの 11 か月、月替わり で内容が変わります。

赤福公式サイトの案内によると、月ごとの内容はおおよそ次のようなかたちです(季節感を伝えるためのざっくり要旨)。

  • 2 月:立春大吉餅
  • 3 月:よもぎ餅
  • 4 月:さくら餅
  • 5 月:かしわ餅
  • 6 月:麦手餅(むぎてもち)
  • 7 月:竹流し(笹の葉で巻いたういろう寄り)
  • 8 月:八朔粟餅(はっさくあわもち)
  • 9 月:萩の餅
  • 10 月:栗餅
  • 11 月:ゑびす餅
  • 12 月:雪餅

田植え疲れを癒した「麦手餅」、稲穂が垂れる秋の「萩の餅」など、それぞれの月の暮らしや農事に根ざした名前がついているのが面白いところです。おじいちゃん曰く、「昔の伊勢の人が、何月にどんなものを食べていたかが詰まっている」とのこと。なるほど、ただの月替わりスイーツではなくて、月ごとの 歳時記 みたいな性格があるんだなと思いました。

何時に並ぶ? ― 早朝販売の流れ

朔日餅の販売は、赤福本店で 早朝 4 時 45 分 ごろから始まります(赤福公式の案内による。1 月 1 日のお正月赤福振る舞いも同様に早朝開始)。これは「朔日参りから帰ってきた人が、開いたばかりのお店に立ち寄れるように」という発想で組まれているのだそうです。

ただ、当日の販売開始時刻に行けばすぐ買える、というわけではありません。月によって・季節によって、列の伸び方がぜんぜん違います。あたしがこれまで見てきた印象だと、ざっくりこんな感じです。

  • 空いている月(冬・梅雨明け前など): 5 時前後でも比較的スムーズ
  • 混む月(夏休み中の 8 月、秋の連休がからむ 9〜10 月、年末の 12 月): 4 時前から長蛇の列になることがある
  • 土日と重なる 1 日: 平日より明らかに人が多い

赤福本店では、混雑が予想される日には早朝に 整理券 が配られることがあります。整理券を受け取ったあと、表示された時間帯に戻ってきて並び直すかたちで、ずっと立ちっぱなしにならずに済むしくみです。整理券の有無や運用は当日の状況で変わるので、「今日は整理券が出るかどうか」をスタッフさんに確認するのが確実だとおじいちゃんは言います。

なお、販売数には限りがあり、その日のぶんが売り切れた時点で終了です。「夕方に行ったら買えなかった」という話も季節によってはあるので、確実に手に入れたい月は早朝に並ぶか、後述する予約のしくみを利用するのが現実的かなと思います。

おじいちゃんと並んだ、ある 8 月の朝

去年の 8 月 1 日、八朔粟餅の日に、おじいちゃんと一緒に並んでみたことがあります。あたしは「夏なんだから早朝なら涼しいでしょ」くらいの軽い気持ちだったんですが、当日の現地は、想像していたよりずっと本格的でした。

あい:座っている(縁側)

3 時半に家を出て、4 時前におはらい町の入口に着くと、すでに前のほうは見えないくらい列が伸びていました。「あ、これは甘く見ていたかも」と思ったあたしの横で、おじいちゃんは折りたたみの小さい椅子を二つ取り出して、「これは持ってくるべきだったろう?」と笑っていました。完全に経験者の準備でした。

街灯のオレンジ色と、夜が明けていく空のうすい青がだんだん混ざっていって、4 時 45 分の販売開始の時間が近づくにつれ、列がじわじわ動き始めます。あたしたちは整理券を受け取って、いったん別の場所で時間をつぶし、指定時間に戻って粟餅を受け取りました。お店の中の朝の空気と、できたての餅の柔らかさが、ふだんの赤福餅とはまた違って感じられて、朔日参りとセットで体験する意味が、少しわかった気がしました。

帰り道でおじいちゃんは、「ただの和菓子じゃなくて、月初に背筋を伸ばすための儀式みたいなものだよ」とぽつりと言っていて、あたしの中でこの行事の位置づけがちょっと変わったのを覚えています。

あい:笑顔

早朝に並べない人へ ― 予約・取り寄せという選択肢

「早起きは難しい」「遠方なので前泊しないと無理」という人のために、赤福では朔日餅の 予約・取り寄せ のしくみが用意されています。前月までに電話・公式サイトで予約して、当月 1 日に受け取り、または配送で届けてもらう、というかたちです。

ざっくりした流れはこんな感じです(赤福公式の案内による。詳細は公式サイトと当年の運用を確認してください)。

  • 予約期間: 前月の上旬〜中旬で締め切られる月が多い
  • 受け取り方法: 本店・直営店での受け取り、または宅配
  • 数量制限: 1 人あたりの上限が設けられる月がある(特に人気の月)

予約の受け取りカウンターは早朝の長い列とは別になっていることが多く、「早朝に行くけど、確実に確保はしておきたい」という地元の人もよく利用しています。あたしの感覚だと、「朔日参りも体験として大事にしたいけど、餅は確実にほしい」というときに、予約はかなり頼りになる選択肢です。

宅配の場合は、賞味期限が短い和菓子なので、到着日の調整に気をつける必要があります。おじいちゃんは「贈り物にするなら、相手が必ず家にいる日にしておきなさい」と毎回言ってきます。確かに、せっかくの朔日餅が郵便受けで丸 1 日待たされるのは切ない…。

おかげ横丁での過ごし方と、朔日参りとセットで

赤福本店は、おはらい町通りの中ほど、五十鈴川にすぐ面した場所にあります。朔日餅を買ったあとは、川沿いの席で「盆」と呼ばれる赤福の盆ぜんざい(季節限定品もあり)を食べていく地元の人もいます。

赤福餅

出典: Ocdp, Wikimedia Commons / CC0

朔日餅を買うだけで帰るのもいいですが、おはらい町〜おかげ横丁を歩いて、内宮までゆっくり朔日参りをして帰るのが、伝統的な朝の過ごし方だそうです。おじいちゃんは毎月、内宮の正宮にお参りしてから別宮の風日祈宮(かざひのみのみや)まで歩くのが定番のコースだと言います。朔日餅の包みをかばんに入れて、川沿いの参道を歩く感覚は、観光というより日課に近い静かさがあって、あたしも少しずつ好きになってきています。

おかげ横丁周辺の宿の選び方は おかげ横丁周辺の宿、エリア別の選び方 で、内宮の参拝順序の基本は 内宮の参拝順序と作法、初めての人向けに整理してみる でそれぞれまとめているので、朔日参りとセットで予定を組む人は併せてどうぞ。

まとめ ― 月初の早朝が、ちょっと特別な日になる

朔日餅をめぐる早朝の列は、最初は「ただ大変そう」に見えるかもしれません。でも実際に並んでみると、月初に背筋を伸ばして神宮へお参りして、季節の和菓子を持ち帰るという一連の流れが、伊勢の暮らしのリズムを作っているのがわかります。

  • 販売は毎月 1 日のみ、1 月は休み
  • 早朝 4 時 45 分ごろから本店で販売、整理券運用あり
  • 予約・取り寄せのしくみで、早起きが難しい人も入手は可能
  • 朔日参りと一緒にすると、行事としての意味が立ちあがる

来月 7 月 1 日は竹流しの予定です。あたしもまた、おじいちゃんと並びに行ってこようと思います。次は折りたたみ椅子、忘れないようにします。


出典・参照: 赤福公式サイト(朔日餅の案内・月替わり内容・予約受付について)。当月の販売状況・整理券の運用は当日変動するため、訪問前に最新の案内を確認してください。