JR参宮線の秋、各駅停車で途中下車 ― 田丸駅・宮川駅・松下駅で見た9月末の伊勢

本記事にはプロモーション(広告リンク)が含まれます。

こんにちは、あいです。

秋分の日が過ぎて、伊勢の朝晩がやっと少し涼しくなってきました。こういう季節の変わり目になると、あたしはなんとなく JR参宮線に乗りたくなります。

参宮線の車窓については、前に多気から鳥羽までの四季の景色として一度まとめました。そのときは「乗ったまま眺める」記事だったので、今回はその反対で、小さな駅でいったん降りてみることをしてみました。列車の窓から見る景色と、ホームに立って見る景色は、同じ場所なのにずいぶん違うんです。

あい:秋の装いで

この記事は 2026年9月下旬時点で、あたしが乗ったときの記録です。時刻や運賃、駅の設備は変わることがあるので、実際に乗るときは JR東海の公式サイトで最新の情報を確かめてくださいね。

参宮線は全部で10駅

参宮線は、紀勢本線の多気駅から鳥羽駅までの約29kmの路線です。全線が単線で、電化されていないので、走っているのはディーゼルカーです。駅は多気・外城田・田丸・宮川・山田上口・伊勢市・五十鈴ケ丘・二見浦・松下・鳥羽の10駅。

名古屋方面からの快速「みえ」は、参宮線の中でも通過する駅があります。だから、普段は名前だけ見て通り過ぎている駅が、実はけっこうあるんです。あたしも恥ずかしながら、「外城田」を「そとじょうだ」と読んでいた時期がありました(正しくは「ときだ」です)。

今回降りたのは、田丸・宮川・松下の3駅。内陸側の2駅と、海側の1駅です。

田丸駅 ― 稲刈りの「途中」が見える駅

多気駅から伊勢市方面に向かって2つ目が田丸駅です。住所は度会郡玉城町で、ここはまだ伊勢市ではありません。駅は無人駅ですが、旧駅舎の建て替えを経て、いまは交流施設を兼ねた新しい建物になっています。

9月末にホームに降りて一番に目に入ったのは、刈り取りが終わった田んぼと、まだ稲穂が残っている田んぼが、まだらに混ざっている景色でした。列車の窓からだと一瞬で流れてしまうので「秋の田んぼだな」としか思わないのですが、ホームに立つと、刈った田には切り株が整列していて、隣の田では黄色い穂がまだ重たそうに垂れている。その差が、ちゃんと見えるんです。

刈り取った田んぼのあぜには、ちらほらと赤いヒガンバナが残っていました。お彼岸の頃が盛りの花なので、9月末だともう終わりかけ。「来年はもう一週間早く来よう」と、あたしは心の中でメモしました。

宮川駅 ― 川の手前で、空が広くなる

田丸の次が宮川駅です。駅名のとおり、この先で列車は宮川を渡ります。前の記事で「鉄橋を渡る数秒だけ視界がぱっと開ける」と書いたのですが、駅で降りてみると、川が近いぶん、駅のまわりから空が広く感じられました。

宮川は伊勢市の西側を流れる大きな川です。内宮のそばを流れる五十鈴川とは別の川なので、そこは混同しないようにしてくださいね(あたしは小さい頃、全部まとめて「神宮の川」だと思っていました)。

夕方の便を選んだので、列車を待っている間に、西の空が少しずつ色を変えていきました。9月も末になると、夏のあいだよりずっと早く日が傾きます。同じ時刻の列車に乗っていても、8月と9月末では窓の外の明るさがまるで違う。これも季節の変わり目の、参宮線らしい景色だと思います。

松下駅 ― 盛土の上の、小さなホーム

あい:歩いている

伊勢市駅を過ぎ、二見浦駅の次が松下駅です。ここは伊勢市二見町にある無人駅で、盛土の上にホームが1本だけ。駅舎はなく、待合のスペースがあるだけの、本当に小さな駅です。

内陸の田丸や宮川と違って、ここまで来ると空気に潮の気配が混ざります。二見浦から鳥羽へ向かうこの区間は、列車の窓に海の入り江が見え始めるところで、昔は海水浴客向けの臨時駅(池の浦シーサイド駅)もありました。その駅は2020年に廃止されています。

松下駅のホームは、列車が行ってしまうと本当に静かでした。聞こえるのは、国道を走る車の音が遠くに少しと、草むらの虫の声くらい。夏のあいだはセミだった音が、秋の虫に入れ替わっているのに気づいて、「あ、季節がちゃんと進んでる」と思いました。

おじいちゃんに言われた「帰りの列車を先に見ておけ」

あい:てへ

実はこの途中下車、最初は計画なしで出かけようとしていました。それをおじいちゃんに話したら、

「降りるのはいいけどな、次の列車がいつ来るか先に見てから降りなさい」

と言われました。参宮線は、都市部の電車のように数分おきに来る路線ではありません。小さな駅で降りたあとに次の列車まで長く待つことになっても、駅のまわりにお店がないこともあります。おじいちゃんは昔、それで無人駅のホームで長いこと待ったことがあるそうです。

なので今回は、降りる駅ごとに「次に乗る列車」を先に決めてから出かけました。結果、どの駅でも慌てずに済みました。おじいちゃんの言うことは、だいたい正しいです。

途中下車の前に確かめておきたいこと

最後に、実際に小さな駅で降りてみて「知っておいてよかった」と思ったことをまとめておきます。

  • 帰りの列車の時刻を先に確認する:本数の多い路線ではないので、降りる前に次の便を決めておくと安心です
  • 交通系ICカードの扱い:2026年9月時点で、伊勢市駅の参宮線ではICカードが使えません。詳しくは伊勢市駅の改札から外宮参道までの記事に書いています。ICカードのエリア拡大は2027年春の予定と報じられていますが、まだ実施前です
  • 無人駅での乗り降りのしかた:無人駅では、切符の買い方や運賃の払い方が有人駅と違うことがあります。乗る前に駅の掲示や車内の案内を見ておくと、戸惑わずに済みます
  • ホームで待つ時間の服装:9月末でも、夕方の吹きさらしのホームは思ったより冷えます。薄手の上着が一枚あると安心です

まとめ ― 通り過ぎていた駅に、季節があった

参宮線の小さな駅で降りてみると、同じ9月末でも、田丸では稲刈りの途中、宮川では広い空と早くなった夕暮れ、松下では潮の匂いと秋の虫と、駅ごとに季節の見え方が違いました。

10月に入ると、神宮では神嘗祭を迎えて、伊勢の秋はいちばん大切な時期になります。参拝のついでに、帰りの列車までの時間をひとつ確かめてから、どこか一駅だけ降りてみる。そんな秋の過ごし方も、参宮線ならできると思います。

それでは、また次の記事で。


出典・参考: 東海旅客鉄道株式会社(JR東海)公式サイト(jr-central.co.jp) / JR東海 在来線運行情報(traininfo.jr-central.co.jp) / 「参宮線」「田丸駅」「松下駅 (三重県)」Wikipedia日本語版(2026年9月28日閲覧)