こんにちは、あいです。
5月に遷宮期間中、伊勢市内の交通はどう変わるのかという記事を書いたとき、あたしはお木曳行事について「車道の通行制限がかかる可能性があります」としか書けませんでした。まだ具体的な規制内容を手にしていなかったからです。
あれから第一次お木曳行事は、陸曳(おかびき)も川曳(かわびき)も終わりました。そこで今日は、伊勢御遷宮委員会が発行した 「第一次お木曳行事(陸曳)『交通規制』マップ」 を読み返して、遷宮の年に、伊勢市内の道が実際にどう閉じると告知されていたのかを記録として残しておきます。
※この記事は 2026年9月29日時点 で確認できた公式資料をもとに書いています。ここに書く日時・区間は2026年の第一次陸曳のもので、令和9年(2027年)に予定されている第二次がこの通りになるとは限りません。

いちばんの発見 ― 規制の中心は内宮ではなく外宮側だった
伊勢の渋滞というと、お正月や連休の内宮周辺、国道23号の宇治浦田町あたりを思い浮かべる人が多いと思います。あたしもそうでした。
でも陸曳の規制マップを開くと、赤く塗られているのはほとんどが 外宮の北側 です。マップの表紙には、こう書かれています。
主に宮川から伊勢神宮 外宮までの公道が行事会場となるため、大規模な交通規制を行います。
奉曳コースは、宮川河川敷を出発して 県道伊勢南島線(県道22号) を東へ進み、筋向橋を通って 外宮北御門 に着く道すじです。つまり遷宮の年の交通の変化は、「いつもの混む場所がもっと混む」形ではなく、ふだんは参拝の渋滞と縁の薄い、外宮の北の生活道路が行事会場になるという形で現れたわけです。
住民向けの欄には「宮川から伊勢神宮 外宮までの県道伊勢南島線(県道22号)などでは、早朝より交通規制が行われます」とあり、観光客向けの欄には「市街地への車の乗り入れができないところがあります」とありました。
一方、7月25日〜8月2日の川曳(五十鈴川内、浦田橋下流〜宇治橋)については、同じマップに 「大規模な交通規制はありません」 と明記されています。同じお木曳でも、陸と川とで道路への影響はまるで違ったということです。川曳の日の様子は川曳が終わった夏に書きました。
規制は「行事の日」だけではなかった
規制実施期間は 令和8年5月8日(金)〜6月13日(土)の木・金・土・日(6月11日(木)を除く) と書かれていました。
行事そのものは5月9日から6月13日までの金・土・日(6月12日(金)を除く)です。それなのに規制期間に 木曜日 が入っているのは、前日規制 があるからです。

マップを曜日ごとに並べ直すと、こうなります。
| 土・日(地元奉曳団・特別神領民) | 金(特別神領民) | |
|---|---|---|
| 県道22号の主な区間 | 車両通行止 9:00〜18:00 | 車両通行止 9:00〜11:30 |
| 出発地付近 | 車両通行止 6:00〜14:30 など | ― |
| 宮町側の区間 | 車両通行止 6:00〜10:30 / 8:00〜10:30 | 車両通行止 6:00〜10:30 / 8:00〜10:30 |
| 前日の規制 | 金・土の夕方〜翌朝 | 木の夕方〜翌朝 |
前日規制の中身は、出発地付近で 前日18:00〜22:00が通行止め、22:00〜翌6:00が片側交互通行、宮町側で 前日16:00〜18:00が通行止め、18:00〜翌6:00が片側交互通行 というものでした。
つまり、土日の行事のために、金曜の夕方からもう道が変わり始める。平日の帰宅時間にかかる規制なので、観光で来る人よりも、住んでいる人の生活のほうに効いてくる種類の変化です。
金曜日は特別神領民奉曳の日で、規制は午前中で終わる設定でした。同じ「行事の日」でも、土日は夕方まで、金曜は昼前まで と、時間の長さがまったく違います。
なお、マップにはどのページにも「規制時間内であっても交差点は奉曳等の状況により通行が可能です(警備員の指示に従ってください)」という注記がありました。時刻は目安で、最後は現地の判断、ということです。
車で来る人に用意されていたもの
外宮周辺の臨時駐車場(無料)として、次の3か所が示されていました。
| 場所 | 台数 |
|---|---|
| 厚生小学校 | 100台 |
| 三重県伊勢庁舎駐車場 | 130台 |
| 念法寺 | 60台 |
土日で合わせて290台。ただし 金曜日のマップに載っていたのは念法寺の60台だけ です。平日は学校や庁舎が使われているからだと思いますが、理由までは書かれていません。どの日も「天候等により使用できない場合があります」とあります。
そしてコース図の欄外には、はっきりこう書かれていました。
出発地、外宮付近には駐車場がありません。公共交通機関をご利用ください。
宮川堤公園も「許可車両以外進入(駐車)禁止」。見物のために宮川のほうへ車で行く、という選択肢は最初から用意されていなかったわけです。外宮は伊勢市駅から歩ける距離なので、電車で来て歩く、というのがこのマップの想定している動き方だと読めます。
また、観光客向け・住民向けのどちらの欄にも「市内のバス路線でバス停の休止や迂回運行が発生いたします」とありました。車だけでなく、路線バスの側も行事日には形が変わる という点は、見落とされやすいと思います。
1日だけ、内宮まで規制が伸びた日
例外は 5月31日(日) です。この日は地元奉曳団・特別神領民奉曳に加えて、磯町慶光院曳(特別奉曳) が行われました。
マップの説明によると、戦国時代に中断していた御遷宮の復活に尽力した慶光院上人が、その功によって内宮の御扉木を奉曳する栄誉をいただいた、という由来をもつ奉曳で、宮川から外宮前を通り、内宮までの約9キロ を曳きます。
そのため5月31日だけは、規制が外宮から御幸道路、宇治浦田交差点、おはらい町のほうまで伸びていました。マップ上では、外宮北交差点より東の区間が朝の7時30分ごろから順に閉まり、昼すぎに神田久志本町のあたり、14時〜17時30分に宇治浦田交差点〜内宮方面(内宮方面のみ)、そして おはらい町は15:30〜19:00が車両通行止 と、奉曳の進み具合に合わせて規制が東へ移っていく組み方になっていました。出発地付近の規制も5時30分からと、ほかの日より早く始まっています。
一つの行列の移動に合わせて、規制の時間帯が区間ごとにずれていく。地図を眺めていると、道路の規制表というより、行列の時刻表を読んでいるような気持ちになりました。

おじいちゃんが気にしていたのは「前の晩」
マップを広げていたら、おじいちゃんが横からのぞき込んで、赤い線ではなく、端のほうにある緑の小さな枠を指さしました。「前日片側交互通行 22:00〜翌6:00」と書かれたところです。
「行事の日のことは、みんな覚えとる。忘れるのは前の晩や」
おじいちゃんによると、行事の日の規制は町内でも話題になるので自然と頭に入るけれど、前の晩から道が変わることは、案外うっかりするものなのだそうです。準備のための車が出入りして、夜のうちにまちの形が少しずつ行事の形に組み替わっていく。規制マップのあの小さな枠は、その「前の晩」を書いたものだったんですね。
あたしは最初、前日規制を「おまけの注意書き」くらいに思って読み飛ばしていました。えへへ。でも住んでいる側からすると、いちばん生活に近いのは、たぶんあの小さな枠のほうです。

2026年9月末、いま伊勢の道で起きていること
最後に、この記事を書いている時点のことを一つだけ。
三重交通の公式告知によると、内宮前きっぷうりば周辺の無電柱化工事にともなって、内宮前のバス停(二見・鳥羽方面と、外宮・伊勢市駅方面ののりば)ときっぷうりばが、2026年7月1日から9月末まで一時移設 されています。告知上の期間はちょうど今月末までです。延長の有無などは告知ページに書かれていないので、10月に入って内宮前でバスに乗る方は、並ぶ前に現地の案内板と三重交通の告知を確かめてください。
お木曳のような20年に一度の変化と、こうした工事による一時的な変化。遷宮の8年間の伊勢の道は、その両方が重なりながら少しずつ形を変えていくのだと思います。
まとめ ― 2026年の陸曳で分かった、遷宮中の交通の変わり方
- 陸曳の規制は 宮川〜外宮の県道22号沿い が中心。ふだんの内宮側の渋滞とは場所が違った
- 規制期間には 前日規制 があり、土日の行事なら金曜の夕方から道が変わり始めた
- 土日は夕方まで、金曜は昼前まで と、曜日で規制時間の長さが大きく違った
- 外宮周辺の臨時駐車場は土日で290台、金曜は60台。出発地・外宮付近に駐車場はなかった
- 内宮まで規制が伸びたのは、慶光院曳のあった 5月31日 だけだった
- 川曳は「大規模な交通規制はありません」とされていた
第二次お木曳行事は、神宮公式サイトの遷宮予定年表で令和9年(2027年)の予定として案内されています。日程や規制が発表されたら、この記録と見比べながら、また書こうと思います。
それでは、また次の記事で。
参考
- 伊勢御遷宮委員会「第六十三回神宮式年遷宮 令和8年(2026年)5月・6月 第一次お木曳行事(陸曳)『交通規制』マップ」(2026年9月29日閲覧)
- 伊勢御遷宮委員会 公式サイト「伊勢の民俗行事『お木曳行事』」(2026年9月29日閲覧)
- 伊勢神宮 公式サイト「遷宮予定年表|第63回神宮式年遷宮」(2026年9月29日閲覧)
- 三重交通 公式サイト「『内宮前』バス停およびきっぷうりばの一時移設について」(移設期間 2026年7月1日〜9月末、2026年9月29日閲覧)
規制の日時・区間・台数はいずれも2026年の第一次陸曳について公表された予定であり、当日は進行状況や警備員の指示により変更されることがありました。