こんにちは、あいです。
伊勢市駅から内宮まで歩く道は、ひとつではありません。前に伊勢市駅から内宮まで歩いた記録を書いたときは、外宮を抜けて広い御幸道路(みゆきどうろ)を歩きました。そのあと外宮から内宮の徒歩とバスの選び方の記事で「次は古市街道でも歩いてみたい」と書いたまま、ずっと宿題になっていたの。
10月の神嘗祭の行事がひと段落して、朝晩がすっと涼しくなったので、ようやくその宿題をやってきました。今日は、古市(ふるいち)の旧参宮街道を通って伊勢市駅から内宮へ歩く道順を書きます。御幸道路と比べて何が違うのか、どこに気をつけたらいいのかが中心です。(この記事の情報は2026年10月25日時点のものだよ)

最初に ― 所要時間の目安と、この道の性格
先に結論を書いておくと、伊勢市駅から外宮に寄って古市を通り、内宮の宇治橋まで歩くと、大人の普通のペースで1時間半〜2時間くらいを見ておくと安心です。外宮から内宮の区間だけなら1時間半前後。寄り道をすると、もっと延びます。
これはあくまで目安で、歩く速さや立ち止まる回数でかなり変わります。御幸道路よりも時間がかかるのは、距離だけじゃなくて坂があるからなの。
古市の道は、外宮と内宮のあいだにある小高い台地の上を通っています。日本大百科全書(ニッポニカ)によると、この台地は「間(あい)の山」と呼ばれ、参宮の道がここを通っていたそうです。つまり、平らな御幸道路が「台地の脇を回る道」だとしたら、古市街道は「台地の上を越えていく道」。上って、尾根を歩いて、下りる。この形を頭に入れておくと、道順がぐっとわかりやすくなります。

道順1 ― 伊勢市駅から外宮、そして丘へ
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出典: Kansai explorer at Japanese Wikipedia, Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
駅を出て外宮参道を歩き、まず外宮にお参りします。神宮司庁公式サイトでも、外宮から先にお参りするのが古くからの習わしとして案内されているので、この道順だと自然にその順番になるよ。
外宮を出てから、内宮の方角へ向かって住宅街の坂を上っていくと、古市の台地に上がります。三重県の観光公式サイト「観光三重」では、古市参宮街道の入口へは伊勢市駅・宇治山田駅から徒歩15分ほどと案内されています。
ここで最初の注意点。坂を上りきるまでの道は、地図で見ると分かれ道が多いです。台地に上がる道は何本かあって、住宅の間の細い道もあります。あたしは歩き出す前に、地図アプリで「古市」の方角と、台地の上を通る一本の道を確かめておきました。
道順2 ― 古市の尾根道を歩く
台地の上に出ると、道はほぼ一本の街道筋になります。ここが古市です。
観光三重の案内では、古市は江戸の吉原、京都の島原と並ぶ三大遊郭として栄えたとされる街筋です。日本大百科全書には、伊勢参りの客が「精進落とし」をする場所としてにぎわい、歌舞伎『伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)』の舞台にもなったことが書かれています。
でも、いま歩いてみると、そういう華やかさを感じさせるものはほとんどありません。同じ事典によると、第二次世界大戦の戦火で焼失して、昔のおもかげはほとんど残っていないそうです。ブリタニカ国際大百科事典には、戦後は自動車交通の発達で参宮のルートから外れて住宅地になった、と書かれていました。歩いているのは、ふつうに人が暮らしている静かな住宅街の道なの。
その中で、寺院や小さなお社が、昔の街道筋だったことを教えてくれます。伊勢市の散策コースの資料でも、大林寺・長峰神社・寂照寺などが古市街道沿いの見どころとして並んでいます。
伊勢古市参宮街道資料館に寄る
尾根道の途中、中之町には伊勢古市参宮街道資料館があります。観光三重の案内によると、古市の遊郭や伊勢歌舞伎に関する資料を中心に展示していて、展示室は無料です。開館は9時〜16時30分、月曜(祝日の場合は翌日)などが休館日とされています。
「なにもない住宅街」に見える道が、昔どんな場所だったのかを知ってから歩くと、景色の見え方が変わるよ。寄るなら時間に余裕をみてね。開館日や時間は変わることがあるので、出かける前に確認してください。
歩道のない区間に注意
ここがいちばん大事なところ。伊勢市の散策コースの資料には、古市街道は歩道がないという注意書きがあります。実際、道幅が狭くて、車がすぐ横を通る区間がありました。地元の人の生活道路なので、車も普通に走ります。
- 横に広がって歩かない
- 車が来たら端に寄って止まる
- 小さな子ども連れなら、手をつないで車道側を大人が歩く
御幸道路の広い歩道に慣れていると、ここは少しびっくりするかもしれません。
道順3 ― 牛谷坂を下りて浦田町へ
古市の尾根道を内宮側の端まで歩くと、今度は台地を下ります。桜木町のあたりから**牛谷坂(うしたにざか)**を下りていくと、浦田町に出ます。
この下り坂は、上りよりも足にくるの。歩き疲れたあとの下りなので、膝が笑っちゃう感じ。急がずに、一歩ずつ下りてね。
浦田町まで下りると、急に人と車が増えて、観光の伊勢に戻ってきた感じがします。ここから宇治橋まではもうすぐです。浦田町は、伊勢市駅前から出ている「浦田町」行きバスの終点でもあります(詳しくは伊勢市駅から浦田町へのバスの記事に書いたよ)。帰りをバスにする日は、ここの停留所も覚えておくと便利です。時刻は乗る日に三重交通の公式サイトで確かめてね。
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出典: Yanajin33, Wikimedia Commons / CC BY-SA 3.0
おじいちゃんと歩いた、山の道

この道は、おじいちゃんと一緒に歩きました。
古市の尾根道を歩いているとき、おじいちゃんが「こっちは山の道、御幸道路は車の道やな」って言ったの。言われてみると、御幸道路は広くてまっすぐで、車でも人でも通りやすいように作られた道。古市の道は、細くて、くねっていて、上ったり下りたりする。昔の人が自分の足で歩いた道は、こういう形だったんだなって思いました。
それから、あたしは資料館の前で「ここで休憩しよう」って言ったんだけど、その日は月曜日で閉まっていました。休館日を確認するのを、すっかり忘れていたの。おじいちゃんには「調べるのはお前の仕事やろ」って笑われちゃった。

牛谷坂を下りきって浦田町に出たとき、おじいちゃんは「ここで急に賑やかになるのは、昔も同じやったかもしれんな」と言っていました。昔のことはあたしにはわからないけど、静かな丘を越えて、にぎやかな門前に出るという順番は、歩いてみると体ではっきりわかります。
まとめ ― 古市経由を選ぶなら
- 伊勢市駅から外宮・古市経由で内宮まで歩くなら、1時間半〜2時間くらいを目安に(寄り道は別)
- 道は「上る → 台地の尾根を歩く → 牛谷坂を下りる」の三段。最初の上り口で道を確かめておく
- 歩道のない区間があるので、車に注意。横に広がらない
- 資料館に寄るなら、開館時間と休館日を先に確認
- 10月下旬は17時過ぎには暗くなってくるので、午前か、お昼すぎまでに歩き出すのがおすすめ。坂の多い道を暗くなってから歩くのはやめておいてね
平らで歩きやすいのは御幸道路、昔の参宮の道筋を感じたいなら古市街道。どっちがいい・悪いではなくて、その日の体力と時間で選んでもらえたらと思います。秋の涼しい朝なら、古市の山の道もきっと気持ちいいよ。
それでは、また次の記事で。
出典・参考(2026年10月25日確認)
- 神宮司庁「伊勢神宮」公式サイト(isejingu.or.jp)― 参拝の順序
- 観光三重「伊勢古市参宮街道」「伊勢古市参宮街道資料館」(kankomie.or.jp)
- 伊勢市 公式サイト 散策・ウォーキングコース資料(city.ise.mie.jp)
- 『日本大百科全書(ニッポニカ)』「古市(三重県)」/『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』「古市」(コトバンク掲載)